1. はじめに:日本の人手不足と財政問題の関係性
- 日本では深刻な人手不足が問題となっているが、同時に社会保障費や国・地方公共団体の歳費(行政コスト)も年々増加している。
- 社会保障制度の維持には多額の財源が必要であり、その負担が現役世代に重くのしかかっている。
- こうした歳費の一部を削減し、人的資源を生産性の高い産業へとシフトさせることが、人手不足解消にも寄与する可能性がある。
2. 社会保障費及び国・地方公共団体の歳費の総計
(1) 社会保障費の現状
- 2023年度の社会保障費総額:約133兆円(国の一般会計予算の約3分の1)
- 主な内訳:
- 年金:約57兆円
- 医療費:約47兆円
- 介護費:約15兆円
- 生活保護などその他:約14兆円
(2) 国・地方公共団体の歳費(行政コスト)の現状
- 国家公務員・地方公務員の人件費:約26兆円
- 男女共同参画事業:約9兆円
- SDGs関連事業:約6.9兆円
- 各種補助金・助成金:約25兆円
→ これらを適切に見直すことで、大きな財源を確保可能。
3. 削減可能な項目とその削減額
(1) 医療費・介護費の3割負担統一による削減
- 高齢者の医療・介護負担割合を現役世代と同じ3割負担に統一
→ 6~7兆円の社会保障費削減 - 軽症患者の自己負担増(風邪・花粉症・湿布など)
→ 5000億円の医療費削減 - ジェネリック医薬品の使用率向上
→ 1兆円の医療費削減
(2) 男女共同参画・SDGs関連事業の見直し
- 男女共同参画事業は、その大部分が啓発活動・調査費用・助成金に充てられている。
- SDGs関連事業も補助金や調査費が多く、直接的な経済効果が不透明。
- これらの事業の大幅な見直し・削減で5兆円~10兆円の削減が可能。
(3) 行政の効率化・歳費削減
- 国・地方公務員の人員削減・業務のデジタル化
- 無駄な書類業務・対面手続きを削減し、オンライン手続きを推進
- 5兆円以上の歳費削減が可能
- 補助金・助成金の適正化
- 企業向け補助金の見直し、不透明な助成金の廃止
- 2兆円以上の削減が可能
→ 合計で年間15兆円以上の削減が可能。
4. 人的余剰の範囲とその活用
(1) 削減により発生する人的余剰
- 社会保障や行政コストの削減により、以下のような分野で人的資源が余剰となる可能性がある。
- 地方自治体・公務員の一部人員削減
- 医療・介護分野での過剰な事務職の縮小
- 男女共同参画・SDGs関連事業の縮小による人員のシフト
→ 想定される人的余剰:約50万人~100万人規模
(2) 付加価値の高い産業への移転
- これらの人的資源を以下の産業にシフトすることで、人手不足を解消できる可能性。
- 製造業・IT産業・AI・デジタル分野
- 介護・保育・福祉業界(必要な分野へのリソース移転)
- 建設・物流・インフラ業界(労働力不足が深刻な分野)
→ 現在の労働市場において特に深刻な人手不足が見られる業界への労働力再配置が可能となる。
5. まとめ:社会保障費・行政コスト削減が人手不足解消につながる理由
- 日本の財政問題と人手不足の問題は表裏一体。
- 社会保障費・行政コストの削減により、財政負担が減るだけでなく、人的資源の有効活用が可能となる。
- 適切な歳費削減と労働市場の改革により、より生産性の高い産業への労働力移転が実現し、人手不足が解消される可能性がある。