日本の医療制度は、軽症でも気軽に病院を受診できる仕組みになっており、その結果、社会保障費の膨張 や 医療従事者の人手不足 が深刻な問題となっています。
この状況を改善するためには、セルフメディケーション(自己治療・自己管理)の推進 が不可欠です。
本記事では、セルフメディケーションが社会保障費削減や人手不足解消、さらにはより良い医療の実現につながる理由を解説します。
1. セルフメディケーションの推進による、軽症の受診が減少することでの社会保障費の削減額
風邪や軽症のインフルエンザ、軽度の胃腸炎などで病院を受診する人が多く、それに伴い、毎年莫大な医療費が費やされています。
① 軽症の受診がどれほど医療費を圧迫しているのか?
日本における風邪・インフルエンザ・軽症疾患の年間受診者数 は 約1,500万人 で、そのうち7割程度はセルフメディケーションで対応可能 だと考えられています。
- 1回の受診でかかる医療費(診察+検査+処方薬):約5,000円
- 不要な受診 1,000万人 × 5,000円 = 5,000億円/年
→ セルフメディケーションの推進で最大5,000億円の医療費削減が可能
このうち、公費負担分(健康保険)が約7割とすると、約3,500億円の社会保障費が削減 できます。
これは、現役世代の社会保険料負担の軽減 に直接つながります。
2. 軽症の受診が減少することでの、人手不足解消の効果
現在、日本の医療機関は 慢性的な人手不足 に悩まされています。特に、
✅ 外来の医師・看護師の負担増
✅ 医療事務・受付の業務過多
✅ 薬局の調剤業務の増加
といった問題が、医療の質を低下させています。
① 軽症患者の受診減少がもたらす効果
軽症患者の外来受診が減ることで、医療機関の負担が大幅に軽減されます。
- 外来の診療件数が減ることで 医師・看護師の業務負担が減少
- 受付業務や会計処理の負担が軽減し、事務スタッフの余裕が生まれる
- 薬局の混雑が減り、薬剤師の労働環境改善
結果として、医療従事者の離職防止・働き方改革につながり、人手不足が解消されます。
② どれくらいの負担が軽減されるのか?
現在、医師1人あたりの平均診療件数は 年間約8,000件 ですが、軽症患者の受診が30%減るだけでも、年間2,400件の診療負担が減少 します。
これは、医療従事者にとって大きな余裕を生むことになります。
3. 人手不足解消が、より良い医療の実現に繋がる
軽症患者の外来受診が減ることで、医療従事者は 本来注力すべき分野 にリソースを割けるようになります。
① 本当に医療が必要な人への対応が手厚くなる
- 重症患者や高齢者、緊急を要する患者への 診療時間の確保
- 医師がより高度な診療や研究に時間を使える
- 看護師の負担軽減により、患者ケアの質向上
② 救急医療の充実
- 軽症患者が減ることで、救急外来の逼迫が解消
- 本当に緊急性の高い患者を、スムーズに治療できる体制が整う
まとめ
✔ 軽症の受診が減れば、最大5,000億円の社会保障費削減が可能
✔ 医療従事者の負担が減り、人手不足が解消される
✔ より高度な医療・救急医療の充実につながる
セルフメディケーションの推進は、現役世代の負担軽減だけでなく、日本の医療全体の質向上にも寄与する重要な施策です。
一人ひとりが意識を変え、軽症時の受診を控えることが、より良い医療の実現につながります。